演習林育ちの鉛筆

林業が昔から町の繁栄を支え続ける智頭町。

その礎として、鳥取県立智頭農林高校に学びの場があります。
校内の広い敷地には、杉や桧の原木や製材が大事に保管され、教材として使われています。
以前に学校を訪ねた折、木工品製作で使われたあとの杉材が、多く残されたのを見た時、どうにかして使い切りたいとの想いがありました。

智頭の山には、無尽蔵に杉や桧の木々が育っています。
農林高校の演習林には、昭和時代の先輩が植林し、後輩が枝打ちなどを行い、木の成長をしっかりと守っています。

そしてこの度、学校のご協力を戴き、授業で使われたあとの杉材の再活用を図り、智頭杉鉛筆が誕生しました。

鉛筆になるまで

智頭杉鉛筆は、智頭農林高校の演習林育ちです。

創立80年を迎えた智頭農林高校の林業コースを卒業した若人達は、町を支え山を守り続けています。

授業では、実際に演習林に入り、先生から厳しく安全指導などを受けながら、作業道を作ったり、のこぎり・チェーンソーなどを使って枝を落としたり、木を倒しながら技能を磨きます。

演習林から学校に運び込んだ伐採した原木は、授業のなかで、製材や乾燥の方法を学ぶ教材となります。
そして、乾燥させた杉材などを使い、家具などの木工品を製作する過程で技法や技能を習得しています。

製作後にも残る智頭杉の価値をProjectが受け継ぎ、鉛筆に成形しました。

山【演習林】
木の伐倒
安全防護をしっかりと着用し、
チェーンソーで伐り倒します。
玉切り
チェーンソーで木を
細かく切り分ける作業です。
受け口作り
木を伐り倒すには、方向に受け口を作る必要があります。 チェーンソーでの練習跡です。
枝打ち
木の節をなくしたり、まっすぐな木を作りやすくするために、木に登って斧やのこぎりで枝を切ります。
伐り出した原木
標高600mの演習林から運び出した杉。 授業の木工品製作などのため、乾燥させます。
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製材 (鉛筆用仕様の杉板つくり)

今回、有志の高校生と共同で製材しました。

[謝辞&注釈:HP掲載の智頭農林高校の演習林風景及び演習・製材作業に関する写真は、同高校からのご提供並びに許諾を受けています。]